虚無描写/番田
金よりも大切な物とはなんだろうと、いつもおもうわけです。だから何かを食べたいなどと、店主のいる場所に叫んだ。あるものが、そこに消えていくみたいに。一羽の鳥だけが飛んでいく港。カアカアという声だけが響きわたった。今日も僕は誰かと酒を飲んで帰ってきた。
お金よりも大切な物事は僕にとって一体何なんだ、誰か教えて欲しいんだって、肉類の食べ過ぎで本当に体に悪いような気がするよ。疲れもずいぶん溜まっていて、つかれるのはため息ばかり。硬直した体のままで、その腕を組むのは大変だ。煙草に火を付けると、一筋の煙。ただ一筋の煙が行くあてを無くしてそこを流れていく。
遠い異国でもそこからのぞいてみようか、夢を
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