浮浪者の恋/番田
僕はあきらめかけていた
僕の未来への切符を手にしたい 子供の肩をかすめて
濃い群青色のシートに座る 駅張り広告から放たれているにぎやかな光
新しくできた小島の中にあるという 僕はお台場へ
今日も僕はそこに新しい展望もなく
丸の内線を使って そして 銀座へと巡っていく
地下鉄の重々しいドアをくぐらされた 駅に立つ人たちの
その 色とりどりの足並みが 夢の全てが流れていくのだと思った
僕は巨大なビルの中に囲まれながら 抱く言葉へと
何かを掴まされながら
何もかも手の中に無くした闇みたいに また消えた
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