冬の夕暮れに便所に立つまでのひとつの乱雑な考察/ホロウ・シカエルボク
 



撲殺の感触のような中枢の痛み
地の底まで沈みこむ心情を他人事みたいに傍観しながら
彼方の空にあるのは白に消えそうな青
白痴のような未熟がゆっくりと左胸を叩く
死を見るからこそ生きたくなる
死を見るからこそ生きたくなる
俺がこうして死を見つめるのは
どんな人生であれそれがただの中断であるかのように思えてしまうからこそだ
欠片のような真昼の月に
輝きを求めるのはお門違いだ
まるで
まるで暗闇に向かう長い跳躍
俺に命を感じさせるものは
いつだって無残に死に絶えた何かで
それをネガともポジとも俺は言いたくはなく
ただ拘ってしまうのは生
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