夜を探して/窓枠
 
風が痛いくらいにしみこむ
私の肌はまだ 怯えていて

街頭のネオンを通り過ぎるたび
臆病者の影は心配そうに現れる
風邪は曳くなよ
なんて言いたげに(君こそね)


周囲に誰も居なくなるってのは
どこかさっぱりとしているよう

賑わう商店街は殺風景
だんまりを決め込んで

close...とは
なんにも売らない
だあれも買わない

ああそうですかと立ち止まらない私
ひとり賑わい(とてもさむい)


静寂を払わんとして
私は月を探す

星をたどって 雲をかきわけ
まるで夢を見ているかの如く
意識だけが泳いでいく

世界はゆるやかに溶けはじめ
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