雪道/小川 葉
 
をさえぎるように
るるるーっとこんどは
おじいさんになったぼくが
目の前を通りすぎていく

こんばんは
わしのおばあさん
今まで
お世話になりました!

死を覚悟したのだろうか
骨もよわってるから
雪道の自転車はやめなさい
おじいさんのぼくにそう言うと
おまえもな
と声がした

それからおじいさんのぼくは
ざくりざくりと
凍りつく雪道を
どこまでも歩いていくのだった
 
 
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