ドライ、ドライ、ドライ/ねことら
先をさぐりあてるための触手を伸ばし、わたしたちは深く交信をくりかえす、言葉は自発のたびに役割を終え夜のそばを転がり落ちる、もうひとりであるくことはできないかもしれないけれど、
さようなら、接続詞のない夜、遠ざかる列車の音、花弁の削がれた火を抱いて、わたしたち、どこへいくの、こんな火をつけられて、どこへいこうとするの、透明な反問はかすかな過ちを含み、波立って、きっとすこしずつ自壊していく、おやすみなさいさびしい針金、夜の降り積もる音をたしかめながら、わたしたちはやさしく、傾いていく
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