ドライ、ドライ、ドライ/ねことら
 



さびしさは針金のように折れ曲がり息を低くひそめていた、キーボードを叩いてもaやoの母音は狂っているから、わたしたちは正しく夜を装飾できない、室内灯ひとつで照らしだせる安心の内側でねむっている、ガラス窓1mm越しの外気の凍てつき、の内側にいる、チョコレートひとかけの夕飯、の内側にいる、くうそうすることはいつも自由だったけれど、うずくまり泣いているちいさな自分を眺めながら、わたしたちは何を恐れていたのだろう、






淡いディスプレイの発光で、am0:00にリセットされるしゅんかんを命の明滅のように量りとる、1秒ごとの呼吸は美しくいびつなジェンガのようで、喪われたあて先を
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