肥えていく私の、ウソとホント/窓枠
いやになっちゃうわ
恋人と別れた後の帰宅途中
立ち寄ったブックストアで買い漁る
ファッション雑誌と少女漫画
恋占いの本だけ
あいだで隠すようにして
花が咲き散らばる
そんな一面なんか
私の出会いにない
今よりお洒落を気にすれば
何百回と浮かんだ呟きに
私に釣り合う御仁など
はたしているのだろうか
と悶々している
家でくつろげれば
愚痴などを散らかしてしまい
冷めたコンビニ弁当を食しても
私はなんにも満たされない
いつもより音量を上げた
ありきたりなラブソング
サビもいかずに電源オフ
扉を叩くのはお隣さんの苦情
恋が芽生える予兆もな
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