『落陽』/東雲 李葉
 
燃え尽きたような落陽を懐かしい目で見ている
時の流れはひどく穏やかに僕の首に指をかけ
少しずつ呼吸を減らして眠りゆく
今から三日間消えてしまっても良いですか?
どうか探さないで下さい 僕はどこにもいないのです
世界中から隔絶されて一回だけ亡くなってみたいのです


ああ、美しい色をした空だ。


すべてを手放してしまっても構わない夕暮れ
心はすこぶる穏やか 欲しいものなど何も無い
酸素が届かずかすんでゆく脳と視界
三分後にそちらへいってもよろしいですか?
優しい声が聞こえた気がした どこを探してもいない人
あの赤い陽が落ちる頃には誰も僕の名前を知らない
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