邪魔/一酸化炭素
 
白い波間に 漂ひながら
をいをい泣くのは どこの子か

紅い波間に 繋がれながら
こいこい招くは たれがため

揺らぐ 夜空の片隅に
この世の黒を残さぬよう
明き月はまだ消えぬまま

浮かぶ 涙の陽炎に
微かな熱も赦さないよう
冷めた想いが滞る

伸ばした指のその先の
溶けた硝子の破片のように
つゆと消えゆくものならば

なにゆえ我の中に燻る


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