消失点/
本木はじめ
す
君が言ったことば燃えます
秋です
なかなか煙草に火が点かない
夕方の季節です
もう空があちこち燃えてしまって
屋上から窓際からベランダから欄干から
みんな燃えてしまって
きみの瞳も長い髪も両手の平も
ぼくの言葉も
みんなみんな燃えてしまうので
涼しい縁側でお茶を飲んでいるぼくら
「遠いね」
なかなか煙草に火が点かない夕方の季節
ここにいるとゆうことは
ここにいるとゆうことは
ここにいるとゆうことはここにいないとゆうことではないとゆうこと
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