出逢い/within
あなたの温もりを知りたくて
陰茎を膣に挿し入れる
じっと
奥にある子宮の温もり
羊水の中で
守られていた頃を
思い出しながら
唇を重ね
舌をからませる
異なる二人の体温が
混ざり合い
重なり合い
溶け合って
一匹の動物になる
四本の手と
四本の足と
二つの頭のケモノは
ひとつの心を共有する
違う時間に
違う場所で
生まれたもの同士が
同じ時間に
同じの点の上で
交錯する
待ち続ける卵子のなかに
僕が辿り着けたなら
あなたが流してきた血は
報われるのだろうか?
「いつか会えるといいですね」
その言葉の中に
体温という形にならないものの
一瞬の邂逅を描き
匂い立つ春の双生児を待つ
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