神風明くる、日の丸は/窓枠
 

日の丸は燃えていた
戦時も戦後も戦前ですら
ふらつく狼煙
靡く先に迷う国旗
ただ
真っ赤に


(神風は讃えるべきものなのか)

 神々しい名の裏
 数え切れない人柱

 彼等の追悼と共に


 サイレンが鳴り止まない
 彼等が母の下
 滑走路を足蹴に旅立てば
 振り返る事さえ
 許されない

 零戦が駆けていく
 どこまでも中立を保つ空は
 情け容赦などない
 威圧感を与えたのかもしれない

 幸せとは何か(愛なのか)
 自由とは何か(死なのか)

 高度3000m地点で眺める景色とは
 私には想像もつかない

 愛国心とか 
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