ハード・ブロウ/ホロウ・シカエルボク
 
は十字架の下で両手を組んだまま骨になった神だった
俺たちは神の子
泥にまみれた明日を喉の奥まで詰め込みながら
楽園に通じる細い道へ続く明かりを血眼で捜し回っている
涼しい顔をしていたってそうさ
怖くて仕方がないのさ
母親のいない寝床でガタガタ震えていた幼いころとほんとはちっとも変っちゃいない
怖いものが見えるものから
見えないものに変わるだけのことさ
騒がしい夢には心を惹かれて仕方がないんだ
それが自分にとってどういう結果になるか判りもしないのに
騒ぎのただなかへ行きたくてたまらなくなる
黙ってじっとしているような時間なんてもうたぶんないんだ

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