((いちご)のつぶつぶ。)革命/夏嶋 真子
後ろから2番目の思想のあの子、)の
イメージがまじりあう。
じゅくじゅくでどろどろになったものが本当の本当だったなんて
イメージたちよ! そんなこと勝手に決めないで。
あたしは今、純粋苺に生成されているんです、
空にジャムをぬりこめて
夕空だってつくれるんです。
肉体から液体をへて気化の途中で失敗してもいいんだ、
羽化するよりもあたしは苺の苺の真ん中に触れたい。
いちごジャムサンドを齧りながら、うんうん呻いていると
歯に何かがはさまって舌でからめとる。
「なんだ、つぶつぶか。」
失われないということ、その。((つぶつぶ。))というつぶやき。
それが種だということにようやく気がついたとき
ちっぽけでつまらない素晴らしきもの、
あたしのまるみに挨拶をした。
おはよう。そして、こんにちは。
いちごのつぶつぶを数えているうちに
あたりは春になっていた。}
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