本の色を歌う/番田
何かであるかもわからなくなってしまった
合図を送る 揺れ動くギターが そこからまた僕の体へと
泥の中だろうと歩いていく
道は思っている この時代の閉塞されゆく思いがあった
閉塞される体のままで 誰かに伝えることもなく
そうしては一冊の本を持って歩いていく
本が拒むこともない中の字として
そうするしかない そのままに
宣言されたことに 肯定し続ける 中の文字として
そのまま 口づたえされていくような歌みたいに
夜の闇の中への 火とは
灯火のように携えられていくだろう
誰かがきっとそこで 手をたたく
叩かれた手として 歩き出す
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