ノートのおと/あ。
■罫線
歩くことなんか出来ないってわかっていても
真っ直ぐに続く道を知りたかった
言葉はあまりにも無防備すぎて崩れそうで
その柔らかさを利用して思い切り固くした
発しては、ほろほろと溶ける
道しるべは多分正しいのだと思う
それでも外れてしまうのは
正しさゆえの誘惑なのだろう
■表紙
話すことが上手くまとめられないのは
口下手と夜の長さのせいにしておいた
はちきれんばかりの思いを言葉にし
綴ることを覚えた頃からだろうか
口の役割はどんどん少なくなっていった
出来うる限り、前を向く
中に詰まった様々な色を覆うように
皮膚
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