星祭り/千波 一也
 


春、のような水脈を
五線譜に記したく


少年は
夜を鏡でうめ尽くす
そして、
怯え



柔らかな
こころに角が
生えるとしたら、

それは
芽吹いたばかりの
夏のみず


凍るすべのなかへ
そっと、燃焼してゆく、
ような


耳を
ふさいで
少女は弔う
おのれが狩った
冬たちを

寄るべく岸を
遠い、なみ
だを


雨に
打たれる地図のなか、
秋は金色に
沈黙をし


ひたむきな瞳と真夜中とを
優しい嘘、で結んで
過ぎる

祈りへすべてが
帰れるよう


またたく
森で










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