走り書き。ヒトにとっての色とは何か。/小池房枝
 
はね、色彩は、色に対する感受性は、ヒトにとって、どんな意味があったのでしょうか。生き延びていく上で。アフリカを出て、地球上あまねく種として殖え広がって行く中で。血の赤、火の赤、熟した果実、狩の獲物の肉の色。出産されたばかりの赤子、嬰児。川の青、水の青、海の青、何より空の青。海という言葉をもたない人々はあっても太陽はもとより月という言葉を持たない民族はなかったようです。空もまた、空、という言葉が必ずあったはず。その空の色。
 近親相姦のタブーや神聖視、蛇に対する忌避や崇拝などなど、国や文化や民族を超えて人類に共通の、カタカナでいうとユニバーサルな資質?感覚?のなかに、「赤」とか「青」とか色について
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