嘘をいったか/カナシミルク
オレは嘘をいったか
泣きも笑いもしない人の前で
初めての時から最後の時まで
オレは何度の嘘をいったか
伝えたか
わたしは誤報を伝えたか
ホントも嘘もわからないまま
心のままの小柄な人の目の前で
きちんと誤報を伝えたか
隠したか
ちゃんと姿を隠したか
顔にはりつく欺瞞と怒りを
生きたくらいの鬱憤を闇に紛らせ去らねばならん
昨夜の月 冬の光の澄むなかで
見えるものすべてが輝くところ
わたしは何も見えなかった
大きなすれ違いが起こるところ
絶望、静かに寄ってくる
大きな音をたてないで!
どうでもいいから静かにしてよ!
別れの音が聞こえないから
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