オンナノコちゃん、さようなら/手乗川文鳥
 
どやっぱりどうしていいのか分からないからオンナノコちゃんはオンナノコちゃんは本当でオンナノコちゃんは一人だけだしだけどレンズの向こうにはたくさんのオンナノコちゃんが次々と生まれて顕微鏡の台から小さな小さなオンナノコちゃんが溢れてしまってとうとうオンナノコちゃんの小さな可愛いお部屋は小さな小さな小さなオンナノコちゃんでいっぱいになってしまって本当のオンナノコちゃんは小さな小さな小さな小さなオンナノコちゃんに飲み込まれて息ができなくて埋もれてしまって窒息してしまいそうよオンナノコちゃんそれは嘘



日曜日
小さな可愛いお部屋に黒い顕微鏡がぽつんとある
顕微鏡のレンズの向こうにガーベラの乾燥した花びらが粉になっている
花柄のミニテーブルにはメモが残されていて
そこには
オンナノコちゃん、こんにちは
と書かれている





私は裸のままでベッドに潜りこんだまま朝から夜へ滑っていく






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