塩水とピーナツ/真島正人
うに現れ、消えて、また現れ
こんなにもたくさん、
何を洗うというのか
目配せ、目配せ、
目配せで通じ合うことは
そんなに悪いことなのか
そんなに僕たちは
哀れだとでもいうのだろうか、
机の木目の上に、
暗い色のペンチと画用紙、
食後の菓子に
ピーナツ、
書きかけた詩は
完成させる文句が思いつかないままであり、
聖堂から響く声、
雨の后、地の塩
角のへこんだロッカーには
幾億の夢が……、
やめてくれこんなむなしいことは
思い出ばかりで頭が痛くなる
あ、あ、あ、あ、前景化した
思い出はぬるぬるとして苔のようだ
底なし沼だ
そこですべると
終わりだ
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