アメリカへ/
番田
俺は何かをこわれているわけではない。俺の何かを演じることができる。そのことがただ、怖い。まだ明るみのある教室の疲れ切った体は、自由を求めて探しさまよう。疲れ切った体の、行くあてだけはない。疲れ切った体をノイローゼでこちらに近づく予感がするだけだろう。まだ明るみのあるテラスで、海外へ飛び立つ前の日のベランダを、様々な物体や物質の色が見つめていた。赤や黄色や青、白や紫や黒色も。この国の育ててきた光の色彩へ、目いるように開くが黒ずんで。
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