三千世界/依
良かった、と呟いて
それからまた手を離すんだろう
そしたら宇宙の端から呼んでくれよ
必ず応えるさ、
まだ本当にそこにいればね
ニルヴァーナ、
そこにたどり着こうとするほどに
何度も生き延びてしまったりして、
また、会いたい人に会えなかった
そんな悲しみなら、たぶん皆背負ってる
そのための螺旋
夕闇が来る前に
感覚を取り戻そうとするけど
もう、遅い?
そうだな、何だか無意味なアザばかり増えていくようで
少しだけ怖いよ
掌、指先、から風に吹かれて解けて消える
砂が零れるほどの時間の間に
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