ブラックホール/暗闇れもん
 
ある日
寝返りをうったぼくの頭は不自然に沈んだ
ベッドに現れたのは
突然できた頭ぐらいの大きさの穴
光や他人の存在に敏感で
消える穴

使い道は分からない

ある日
仕事で大失敗
すべてを失いたくなった

頭を穴に埋め
明日死のうと思った夜

初めて頭に触れた何か

忘れかけていた
柔らかく
心地よい
亡き母の手

頬を伝う気持ちと共に
悲しみまで連れて穴は果てた



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