待ち時間まで/真島正人
悲しい』
『昨日パチンコで勝った、悲しい』
悲しいの博物館です
きっとそのうち、こうなってきます
『昨日、悲しいが、悲しいに衝突した』
『悲しいが、悲しいを、悲しいしたので、僕は苦笑いしたが、悲しいは、悲しかったので、かわいがった』
『悲しい肩パット悲しくて悲しい』
こうなってくると日記帳なんてもう終わりです
私はそれを記すことに喜びを感じません
私は本当に悲しくなってしまいます
ところで実は
この文章を記すあいだ
ずっと電車を待っていたのですが、もうすぐ来るのでしょうか
実はここは待合室で、
ドアがちょっとだけ開いているのですごく寒いのです
まだ1月の半ばです
風はものすごく寒く
私はマフラーとコートを併用しています
それにしても地下鉄に乗らずに
上を走る列車にして良かったと思います
私は地下鉄が嫌いです
何はともあれ気分が、暗くなってしまうからなのです
きっと私のこの、のどにも良くないと思うのです
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