そら/umineko
 

それを同定することと
午後のスケジュールとは何の関係もなく
ただぼくは耳の奥で遠い声を聞いている
それはおまえには見えないのだ
それはおまえには見えないようにできているのだ と
      
だが
そんな声などお構いなしに
ぼくはもう二度と見上げることはない
せわしなく動く人の群れは
誰もが信号を気にしている
どんな交差点にも信号はあり
そらを見上げることは何ももたらさないからだ
それはどこか愛に似ている
もう二度と見上げることはないのだから
  
  
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