君にキッス/真島正人
 

正状位でもなんでもいいが
本当に必要な心なんてあるのかな、少なくとも
今この目の前の見知らぬ女はそれを
経血の如く
赤く流した
そのあとは悲しみの青、
それも無意味だ
やはり私たちは骨

肉の奥に持ち合わしている。
これについて何を思いますか?
耳の奥まで
聴こえない声があるが、
それは数年前の
列車のそばで聞いた
嗚咽と同じ
どうにも…
ライラックを
買い換えて見て…
すぐそばで…
ほら
空が開けて
蝸牛が鳴きます。
ぶぅむ
ぶぅむ
まるで
不躾の音。

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