八月の闇/吉岡ペペロ
 
愛人は二十六だった
家族と暮らす女の子だった

お茶したあとホテルでセックス
それから愛人宅で珈琲、ではなくカレーうどんを食べた

アボジは明日の登山で前泊
妹はいつも帰りが遅いという

誰もいないはずの三階から
愛人のオモニがおりてきた

ぼくはおどろき慌てた
リビングでセックスし終えたばかりだったからだ
愛人もおどろいていた
オモニは離婚して家を出ていたからだ

お母さん、どっから入ってきたん、カギもう持ってへんやろ、

よじ登ってん、

あぶないやん、三階なんて、転落死すんで、

二階からは、入られへんかったからな、

ぼくとオモニは珈琲や柿
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