傘/海美
ザーザー振りの雨の中
あたしあなたの事を待ち続けた
2度と来ないあなたを
あれは1年前の梅雨の時期
あたしが電話で怒っちゃって
あなたはあたしのご機嫌直すために
雨が降る駅前で待ち合わせたね
そうしたらあなたは事故に遭って
あたしのいる雨が振り続ける駅前には
もう2度と来れなくなった
シトシト振りの雨の中
あたしあなたを殺しちゃった男
殺しに行ってみたの
彼は1年前の事故のこと
全く後悔してなかった
だからね あたしが息の根止めてあげた
雨が血と混ざっていくのが分かった
あたしだけ寂しい 戻りたかった
あなたのいる場所があたしには遠すぎただけ
もう2度と笑えなくなった
今日もあたしは駅前で待ち続ける
いつかあなたが「遅れた。ごめん」って
現れてくれるのを血と雨が混ざった傘を
刺しながら待ち続けるから
戻らないあなた あたし待ち続けた
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