終わらない轍/吉岡ペペロ
 
終わらない轍を抱えながら

時への妄想を考古していた

時は迷路に曳かれている

命や命の周辺を発掘する

それらは無機物になって

感性や知性に弄ばれていた

終わらない轍を抱えながら

抒情を感じられない人は

叙事を歌うといいだろう

抒情も叙事もどちらとも

終わらない轍を抱えながら

託されている存在だからだ

時は迷路に曳かれている

命や命の周辺を発掘する

それらは無機物になって

感性や知性に弄ばれていた

終わらない轍を抱えながら



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