あかりにうつされて。/
らぐ
ぽたり、と落ちたものは
わたしが今まで見たこともない
綺麗な泪だった
あの人の
目から
目じり
そして頬を伝って
顎を滑るように流れて
わたしの掌に
ぽたり、と落ちた
まるで月明かりのような優しいあかりに
泪は映されていた
何処か遠い外国の海の色みたいだ、と思った
わたしはこんなにも
綺麗な泪を知らなかった
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