空中庭園/窓枠
蒼々とした、その
果てしない眺めを
首を長くして
首を痛めても
濁りの混ざった瞳には
どれだけ経っても
待ち焦がれたものだろう
息詰まる部屋では
窓硝子は思ったより透明でなく
吐く息と共に、陰るから
たった一枚の境界を越えられない
もどかしさの跡は等身大の、私
大声で叫んでしまいたい
私の中に押し込まれた鼓動が
飛び出てしまう、くらい
そんな衝動はいつだって
平行線上に存在する
不特定多数の壁に遮断されてしまう
いつからか
呼吸を繰り返しては下唇を噛み締めて
溢れ出た私の跡からは、微かな
潮の香りが漂うていく
(窓硝子は開け放とう)
空を見上げれば
いつかの、やらかそうな綿あめ雲
今日はまだかな、と
赤ぼったい瞳を、泳がせて
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