旅先/
たもつ
砂時計の砂が落ちていく
のをあなたは見つめている
すべての砂が落ちてしまうと
黙って逆さまにする
一日がその果てしない繰り返し
あなたにとって時間の単位とは
どこまでも続く砂漠だった
そしてそれはまた
二度と帰ることのない
あなたの遠い旅路に違いなかった
表情のなかった口元が
ふと緩む
旅先で何か
嬉しいことがあったのだろう
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