男の修行/鵜飼千代子
 
そこまで頑張ろう
  思いがけず安住の地があるかもしれない
  ここまで頑張った
  前の俺とは違う
  ひとまわりもふたまわりも頼もしい

  ここまで俺は頑張った
  待たせ人に話し相手がいないわけじゃない

  あの人も苦しい旅だということは
  わかっている

 「途中で休める場所があったら休んでね
  そこが安らぎの場所ならば私平気だから」

  そう言っていたじゃないか
 
  あなたはわかっていないね
  男っていうのは

 「何があってもかならず来てね
  死ぬまで立って待っているから」

  そう、言って欲しいものなんだ
  それが
[次のページ]
戻る   Point(4)