男の修行/鵜飼千代子
そこまで頑張ろう
思いがけず安住の地があるかもしれない
ここまで頑張った
前の俺とは違う
ひとまわりもふたまわりも頼もしい
ここまで俺は頑張った
待たせ人に話し相手がいないわけじゃない
あの人も苦しい旅だということは
わかっている
「途中で休める場所があったら休んでね
そこが安らぎの場所ならば私平気だから」
そう言っていたじゃないか
あなたはわかっていないね
男っていうのは
「何があってもかならず来てね
死ぬまで立って待っているから」
そう、言って欲しいものなんだ
それが
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