るる、る/ソノタ
 
「滴るものはなに
 あなたのために
 わたしのために」


自らの根を知らない
風に散ったひとひらの木の葉

蝸牛の螺旋におちた
その銀河のかたち

ソーダ水にお月様がおちた
その夜明けの尻尾


揺れるゆれ、る
生まれては消える
上へ上へと
たち、昇る

るる、る
るるる

想い出しているのはあの
人のゆび
つむじの向き
くびのうしろ
のにおい
秋風のつま先


揺れている

淡淡しいこの
いのち

掬えない金魚は夏を
永遠に生きる




手繰りよせたって
煙のようにいつだって

「その滴るものは」



はやく かえっておいで

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