ウェナイワズ17/ソノタ
ちいさな岬に立っていたんだ
風が吹けば混ざってしまいそうな空と海
飛ぶのに翼なんていらないと
飛びもせずにうそぶいて
それで死んだってかまわないと
あなたを侮辱した
目が覚めると目蓋はいつも熱をもっていて
だけど学校へは行った
教室の扉の音にもあの人を想い
果てしなく長い廊下を歩く
ピンホールほどの暗闇をみつけては
そこへ落ち込みそして
消しゴムのカスくらいの光に
目を細めた
五限目のチャイム
ピッチの着信
前髪
ワックスのにおい
落ち込んだうれしさ
つよいつよい風が吹いた
果然
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