サンコウ/ねなぎ
散逸する
視覚の形態が
微妙に
歪曲して行く
十四時三十五分に
プールサイドにて
拾い上げた
薄く透明にて
偏光される
その膜を
コンタクトレンズだと
認識し
右目
中央部
角膜上に添付する
帰路に着く途中にて
不意に眩暈に襲われるが
三半規管ではなく
常に弛緩することの無い
虹彩が
周波数応答を怠った為と
思われる
今迄
視力検査にて
異常
又は視力の低下を
指摘された事も無く
色彩
又は遠近の絞りの調整が
正常だと確認されていたため
視神経の
鈍重さに気がつかず
又は
バンドパスフィルターの
正確さも検証していなか
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