歩めるひと/恋月 ぴの
 
って名前の女の子がいて

まっへっへ!

久しぶりに白く積った校庭ではしゃぐ皆の背中へ叫んでた

誰ひとりとして彼女のこと仲間外れしてなくて
いじわるとかしてた訳じゃないし

もしかすると彼女なりの生きる速さで
自分自身を追い求めていたのかなと思ってしまう

ちぇっ!

わたしを追い抜きざまに今度は若い女のひとが舌打ちした

何がそんなに気に障るのだろう

よっこらしょ!

わたしはわたしなりの速さではじめの一歩を踏み出した


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