労働/攝津正
 
らない。攝津は、何としてでも「生きる」。どういう手段を用いようと、しぶとく「生きる」。生存困難系から生存系へ。サヴァイヴァルを!
 攝津の精神病は治らぬ物のようだ。家を出ぬ限り、両親から自立せぬ限り、治らぬ、と断言する人も居る。今の状態は不安定な基礎の上に建てられた違法建築のような物で、その違法建築の全体をぶっ壊す事が必要だと説く人もいる。そうかも知れぬ。攝津には難しい事は分からぬ。だが、何としても「生きる」つもりだ。明日こそは出勤しよう。出勤して、労働しよう。労働して、賃金を得よう。当たり前の凡庸な日常に復帰しよう! そう攝津は決意した。

<了>
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