労働/攝津正
なったら上に行った事になるのか? しかしそれは安易な発想だし、しかも不可能だろう? と攝津は考えた。では、このまま肉体労働を続けるしかないのか? そのところで攝津は毎日悩んでいた。このままでいいのか。別のありようを目指すのか。
その日攝津は一時間働いただけで、具合が悪くなり帰宅した。精神病の欝不安のせいであったが、攝津はもう自分には無理だと感じていた。
帰宅して、CD購入と金銭の事で両親と口論になり、攝津は自殺を決意した。しかし、決意したと言っても、決行出来ぬのもよく分かっていた。生涯何度目の自殺の決意だろう! 何度目の死に損ないだろう! 攝津は、銀行通帳とアットローンのカードを持ち去
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