冬/番田 
 
誰も いない
日々の 誰にもいなかった 労働者が
寂しい心に 場所を探していたのかもしれない
公園に 部屋の
彼が行ける場所を 必死で探していたのだ

労働者をできる限りの道に探した 五番街の裏通りはやけに寒いから
分厚いセーターを身につけて
俺にはない声が壊れた時の
声が 場所にも求めていたけれど
俺の声が壊れているとは知らなかった
そうして 俺が場所を探していた

ギラギラと輝いた 銀色の鍵も 手に持っていた 
誰としても いない
日々に 誰もいなかった 労働者が
寂しい心にもない 場所を探していたのかもしれない
公園としての 寝床を
戻る   Point(0)