準詩の神殿/
海里
地母神の歌を歌うのは
月の真昼のギンドロヤナギ
スノードームの嵐のなかで
雲母の窓が開くとき
粉砂糖浴びた菩提樹の
リンデンバウムクーヘン並木
月の深さと詩の絶対値
十一次元の座標軸
夜の色したアイリスと
きららの中のコスモスと
魔方陣なすユーカリアの庭
定和は誰も知りません
一つメビウス、二つメビウス
地中の蜘蛛が織り吐く霜は
真冬戴冠式にて纏う
今年の真白なレースです
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