フクロウと北極星/楽恵
 

北極星は自由に憧れていました
北極星は梟に呼びかけました
やあ君、そろそろ僕を自由にしてくれないか
君は僕のたったひとりの親友だ、自由に憧れる僕の気持ちが君には分かるだろ
梟は北極星の寂しさを知っていました
梟もまた北極星と同じように独りきり
深い森の奥の同じ場所で長年暮らしていたからです
梟は北極星が可哀想に思いました
けれど神様からの命令を破るわけにはいきません
それは無理な相談だよ北極星くん
君は君の役割がどんなに大切なものかわかっちゃいない
君が他の星たちや旅人からどんなに必要とされていることか
君はぜんぜん理解していないんだ
梟は説得しようとしました
です
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