低体温/朧月
 
明日の光が見えぬから
今日は息ができるのです
明日の仕事を知らぬから
今は休める羽なのです

凍るよな空気に震えつつ
温度を上げないのは
死んでしまうからです
希望の言葉たちが

約束したから生きるのです
あなたが守るから
歩くんです

今日をちゃんと終えたからこそ
告白できるのです
明日がこないでほしいと

一日は なにげに過ぎるのではなく
懸命な一歩がつらなり
すすんでゆくものなのです

その足跡が わずかなものであっても
歩いたという事実が
私の今の低い熱になっている

だから どんなに凍るよな空気でも
ふるえてても
見えない明日におそれながら
この羽 休めるのです


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