くぐり抜けて行く/鵜飼千代子
 

 
ひるがえるフレアの裾に
瞬きを讃えたままに
やがて
鮮やかな朝日を迎える日が
やって来るのだろう
 
翳ある背中を
忘れることもせず
必要なほどの明るさを
手放さないままに
 
あの日の約束のままの
変わらぬ形をこころに湛え
同じひかりの下に
 
共に
 
照らされているの
だろう
 
微笑んでいるのだろう
 
 
 
 



  
初稿 2000.04.02. 初出 OVER THE SIN (現 poenique)
改訂
「日本詩人クラブ 2002.02.02. 研究会」提出作品  
詩集 ブルーウォーター 所収
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