くぐり抜けて行く/鵜飼千代子
 
ひかりの泡を
手のひらに受けて
きらきらと
さらさらと
透き間から流れてゆく
涼やかな風を
見守りながら
 
 (ミドリノ紗綾 ヲ)                /サヤ
               
たくしあげ
くぐり抜けるように
               
その綾羅のみちゆきの         /リョウラ
揺るやかな波立ちに
ちょうちょ結びの
めじるしつけて
               
何が待つのか
 
いまは 
まだ、
わからなくとも
 
あなたと歩んできた
あの
ファンタジァを
ふわりと纏っていたならば      /マトって
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