三角点/
鵜飼千代子
手のひらを重ねるたびに
わだかまりが解けて行く
すでに基底された過去と
咀嚼仕切れぬ 含有物と
同じ手のかたちを持った
私たちは 逢わせる為に
分けて造られた者なのだ
言葉を心を 持ちよって
別々の道から辿り着いた
この小高い丘の三角点に
一つ印を付けて ともに
歩いて行こう 見失わな
いように固く手を繋いで
初出 FPOEM 1998.11.30.
詩集 ブルーウォーター 所収
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