この道、小道/霜天
この道、小道
ゆっくりと
滑り出す
よく晴れて
いない日を
休日に選んで
毎日の余韻で
痺れている右手を
左手でそっとさすりながら
寝転がっている、この場所
四角い部屋で
四角い私から
四角い窓の外で世界が
絡まって
言い争って
こんがらかっている
らしいけれど
そんなことを感じさせないのは
空が深くて、深いから
とりあえず、眠ることが出来る
道に迷っていることに気付くのは
いつも手遅れになってからで
この道、見たこともない影で
歩くと埃が舞い上がるような
小道
幾重にも迷い込んで
結局たどり着くのは
四角い部屋で
四角くなっている私だったり、する
この道、小道
ゆっくりに、落ち着いて
とりあえずのこの日に
眠ることが
出来る
戻る 編 削 Point(3)