初愛/海美
 
初めて抱かれた日のこと
今でも鮮明に覚えている

あれは良く晴れた日の午後で
その日のあたしも逃げ出していた
だから彼に出会った

初めて知った快感
求めては繰り返す感覚を覚えた
好きと言う感情すら持てないほどに

彼があたしを抱いてた
今でも強烈に覚えている

あれは息が白かった日だね
その日もあたしは逃げ出していた
だから彼に抱かれた

知りたくなかった感情
愛の意味 分からなく 涙は流れない
好きと言う感情など持てなかった

初めて抱かれた その日の情事を
あたしは「愛」という名の
カテゴリに閉まってみたりした

愛に賞味期限は無いけれど
初めてのあたしの愛は静かに儚く
砕け散ったのだと知る

今でも鮮明に覚えている
彼があたしを抱いた
息が白くなる良く晴れた午後
戻る   Point(0)